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RePort.NO.2-01

応答番号:2022-02XX

種別:レポート NO.M-01
 

観測-2018.02
出力-2022.03
-■■■■■■内のレコードを参照、復元します

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高城「久しぶりだな、三輪。元気か?」
三輪「はい!高城さんも、脚、すっかりよくなりましたね」
高城「ああ、おかげさまでな。本当に皆(みな)には迷惑をかけた。

   ああ、どうぞ座って」
三輪「ありがとうございます」
高城「いつもの紅茶でいいか?」
三輪「はい!」

(ソファに座る音。台所への足音、ケトルを操作する一連の動き)

高城「……繰り返すが、本当に、すまんな」
三輪「うん?」
高城「ディタ剣の最後を一緒にやれなくて」
三輪「ああ、ううん……確かに残念だけど。

   でも、しょうがないです。どうしても時期を遅らせられなくて……。

   代役をお願いして、というのは僕の我儘だし。

   むしろ、本当に僕こそ、ごめんなさい」
高城「でも紫陽さんだから安心して任せられた。

   クランクアップまであと少しだったか?頑張ってくれよ」
三輪「はいっ!」

(飲み物を持ってくる高城、机に置く音。無言で交わされる礼と、ソファに高城が座る)

 

高城「なあ、本当に引退するのか」
三輪「……うん、あ、はい、まあ……」
高城「この話、他に誰が知っているんだ?」
三輪「ん。マネージャーと門生さん、高城さんでしょ、

   それに当間さん、あと……あんずちゃんと江角さんかな。

   あとはアズマの方の担当さんと社長さんとか」
高城「そうか……」

(間)

 

高城「理由はあるのか。言いたくないなら言わんでいい」
三輪「……」

 

(紅茶に写る自分を見つめる三輪)

 

三輪「最高の、幕引きを迎えたいんです」
高城「あれか。芸能人たるもの……、

   一番栄えた時期で終わりたい、というやつか」
三輪「芸能人っていうか……ディータを演じた僕を、です」
高城「ほう」
三輪「あの作品を僕は心から愛してる。

   だからこそ僕の最高の形で仕上げて、そして僕の終わりにもしたい」
高城「大げさな。誤解を招くぞ」
三輪「はは」

(高城が大きくため息を吐く)

 

高城「でも、誰が何と言おうと止まらんのだろうな、君は」
三輪「うん。どうしてもこの時期じゃないとダメだった。

   いや――、これ以上はもう、遅らせられなかった」
高城「……」
三輪「……」
高城「深くは聞かんよ。

   ただ、力になれることがあるなら言いなさい。

   月並みな言葉だが……君は、1人ではないんだ。決して」
三輪「うん、ありがとう、兄様!」
高城「はははは、そうだったな、お前はある意味で俺の弟だ」

 

(高城の携帯に着信)

 

高城「はは、おっとすまない。

   ああ、当間だ、出てくる。ゆっくりしてくれ」
三輪「はあい!

   あ、当間さんに、こんどあんずちゃんも一緒に

   ナゴヤに味噌煮込みたべにいきましょーって伝えて~!」
高城「言っとく。――ああ、もしもし?はい、ああ」

 

(部屋を出ていく高城、陽気な喋り声)

 

三輪「……」

(窓辺を見やる三輪。それから、寒がるように身を抱く)

三輪「……あと少し、映画が、公開されるまで……。

   それで……、いいから、おねがい――どうか、"もって"……」

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